NPO法人つなげる

Newsニュース

12/3 江崎グリコ㈱との共同記者発表を終えて

2021年12月3日、多胎家庭支援への取り組みを実施されている江崎グリコ株式会社の記者説明会に同席しました。NPO法人つなげるからは、中原美智子(代表理事)・坂山光湖(つなげるピアサポーター/相談員/講師)の2名から、双子・多胎家庭の現状およびつなげるの活動を説明しました。これを機会に、いろいろな多胎支援への取り組みや私たちの活動への、さらなるご関心をお寄せいただけますと幸いです。

少し長くなりますが、双子・多胎支援における現状や課題、私たちが大切にしていることなど、会見内では伝えた情報をこちらでもお届けしたいと思います。ぜひこの機会にご覧ください。

▼寄付をご希望の方はこちら
https://congrant.com/project/tsunageru/3619

▼2021年12月3日:多胎児家庭向けに育児支援のオンラインサービスを開始
https://www.glico.com/assets/files/NR20211203__2.pdf

▼2021年7月14日:「液体ミルク」の購入補助支援を延長
https://www.glico.com/assets/files/NR20210714__3.pdf

 


 

本サイト内上部に掲載した画像をご覧いただけましたでしょうか。これまで、NPO法人つなげるに寄せられた双子・多胎ママからの声をいくつかピックアップして掲載しています。知ってるよというものもあれば、知らなかった・気付くこともなかったというメッセージもあったのではないでしょうか?

多胎育児の現状として、色んな多胎児家庭から寄せられた声を壁面パネルでご覧いただきましたが、豊かだといわれているこの時代、色んな商品やサービス、情報やネットワークがありふれているにもかかわらず本当にいろんな辛いといった声がありました。

多胎育児における困難な状況は、これまでもずっと言われてきた問題です。ですが、多胎児を抱える当事者は、マイノリティであるため周囲からの理解を得られにくく、そして同時に2人以上を子育てする多忙さも相まって、社会から孤立しやすい状況にあります。

公園なんかで気軽にママ友と情報交換したりすることも、スマートフォンで情報を検索することも、そんなこともできないの?ということすらままならない状態で、どんどん情報弱者となり、様々な行政・民間サービスの拡充といった恩恵をキャッチしづらいといった問題も抱えています。

今日は、多胎育児の困難さを少しでも解決できるよう、情報発信のプロのみなさんに、多胎育児の現状を知っていただき、多胎育児支援の情報をいろんな媒体・手段・場所で届けられるような社会の実現を手伝ってもらいたいと思います。

 

多胎育児で特に大変だと言われるシーン

大きくわけて、多胎育児で特に大変だと言われるシーンが5つあります。授乳・泣きへの対応・沐浴入浴・離乳食・事故予防です。

これらは、ひとりの子(つまり単胎育児)でも大変なのですが、双子や三つ子いう成長や興味関心が同じ時期の子どもが複数いるがために手が回らなくなり、結果的に、お母さんが追い詰められるといった状況に置かれます。その結果、多胎児を抱えるママ達の心身状態はあまりよいとは言えないような状態に追い込まれます。

ここにあげたものは、一般的にいわれているものです。これは、健康とはいえない状態であり、子どもへの虐待につながってもおかしくない状態です。鬱状態になる方もいます。では、一体なにがあれば、どのような支援やサービスがあれば少しでも解決にむかうのか。誰も、赤ちゃんを抱えるお母さんが一人追いやられる社会なんて望んでいないと思います。

そこで多胎児家庭を「液体ミルク」で支えられるのではないかと、江崎グリコさんからの協力が現在あります。

昨年、中原が理事として在籍しております日本多胎支援協会と江崎グリコさんとで実施した液体ミルクを日常的に利用した場合の行動と意識の変化を、約2週間、液体ミルクを利用してもらいアンケートに答えていただきました。ここで分かった結果ですが、育児シーンで負担が大きな夜間の授乳や外出シーンにおいて、育児負担の軽減につながったということでした。ただ、液体ミルクは高価なためなかなか手がでないといった声もよせられたのも事実です。(調査についてはこちら → https://jamba.or.jp/2020/07/15/20200715_liquid_milk/)

 

孤独孤立を防ぐため、まずつながってほしい

そこで2020年7月から、多胎支援専用価格での提供を江崎グリコさんから申し出ていただき、経済的負担がおおきい複数の乳児を育てる多胎家庭にとって、とてもありがたいサービスがうまれました。そして、この取り組みが多胎児家庭にとって有益であり、広がってほしいという願いから、わたしたちNPO法人つなげるが全国の窓口となり、多胎家庭と江崎グリコさんをつなげる役割のひとつを担っています。(取り組みの内容については、上記バナーより)

ではなぜ、わたしたちが液体ミルクの窓口を引き受けているのか、聞いてください。

目的はふたつあって、ひとつは先ほどご紹介したとおり育児負担の軽減になると考えての取組みですが、もうひとつは、このサービスをきっかけに私たちとつながってもらうことで孤独孤立を防ぎたいからです。冒頭でもお伝えしたとおり、多胎児家庭はその忙しさから情報弱者に陥りがちです。なので、多胎支援団体があることを知らない方も多く、まずはつながってもらうことを第一に考えているからです。

「ミルクが安く買える」きっかけとしては、それで充分なのです。

だから「ミルクが安く買えるらしいよ。だけど、それだけじゃなくて、独りぼっちで辛いという気持ちをきいてほしいんだ ということでもいいらしよ。」と伝えてほしいのです。この取り組みが、なにかでひっかかり孤独孤立を防げるのなら最高にうれしいのです。

 

気軽に立ち寄れる・つながれる場所として

これは、私たち団体のセオリーオブチェンジ(*1)です。究極成果に「誰もが命の誕生を当たり前に喜べる社会を実現する」としています。その究極成果を目指すため、まずは、辛い声をひとりで抱えているママたちが、外との接点をもつことが大切なのです。同じ境遇のママ達との出会いから、心理的安全が担保されている場所で交流をし、温かいつながりの中で、安心感や自己肯定感を保てるようになり、ようやく「あぁ産んでよかったなぁ」という気持ちにつながります。
(*1 セオリーオブチェンジとは、社会課題の解決を目指す事業(NPOなど社会起業)の経営の骨子の考え方 → http://www.theoryofchange.jp/whatistoc

この場所は、つなげるピアサポーターのメンバーとともに、多胎育児において、身体的・精神的な問題に注視するのではなく、その人が望む育児・生活・生き方を尊重した支援を実施していきます。そのために、つなげるが多胎ママパパとつながれる場所は、5つご用意しています。全国いつでもどこでも 育児のことで話せる人達がここにいます。これからも、気軽に立ち寄れる場所として、つながれる場所として、わたしたちはここにいます。(5つのサービスについてはこちらから →  https://tsunagerunpo.com/lp/online-community/

 

 

記者会見の様子

 

オンラインで多胎ママともつながって

 

掲示した多胎ママパパからの声

 

会見後の様子

 

2020年以降、厚生労働省から多胎支援について旗が掲げられました。各自治体で多胎家庭に特化した行政サービスも増えてきていて、多胎家庭にとってうれしい状況です。ただ、まだ壁面に貼っているように、必要なサービスには到底足りていないこともあったり、多胎育児ってどういうものか分かってもらえていない現状があるし、実際に使っても相手が多胎育児のことを知らないからサービスのミスマッチが起こっていたり、産前産後ケア事業が導入されていない自治体などさまざまです。

わたしたち団体では、現状把握をするためのアンケートの実施などをしていきますので、これらを社会へ発信し、みなさんにも手伝っていただきながら、よりよい社会になるよう活動を続けていきたいと思います。

2021年12月3日
NPO法人つなげる