NPO法人つなげる

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【#非当事者から見える景色】次世代に話しかけられる環境維持の大切さ

こんにちは、大野です。前回は、『多胎支援も事業承継問題という課題』というテーマでブログを書きました。今回は、どうやったら多胎育児で困りごとを抱えているママたちに、各自治体が実施しているサービス、他団体が提供するサービス、NPO法人つなげるが取り組むサービスが、届きやすくなるんだろうというもやもやを、お伝えできればと思います。

 

知ってもらうための活動はとても大切

多胎支援というか子育て支援に関わることになって早や5年、自分自身に子どもができて7年。思うことは、世の中にはたくさんの育児支援団体やサービスがあるんだなということ。そして、どうしていままで知らなかったのか、みんなはどれだけのことを知っているんだろうか、という疑問。ここで活動していて、こんなことも・あんなことも知らなかったというのがたくさん出てくると同時に、ぼくたちの活動もどうやったら知ってもらえるのだろうかという大きな課題。

多胎支援の中で、いちばん “手”を必要としているシーンはどこなんだろうって考えると、やっぱり乳幼児期なのかなと。1歳半とか2歳になるまでの記憶が全然ないとか、授乳している期間は眠る暇がなかったとか、常に何かをしていたとか、そういう話を何度も聞く機会がこれまでにあった。

 

実際に活用できるために、どう伝えるか

けっこう前から「妊娠期からつながりを持ってもらいたい」ということで、どうやったら多胎児を妊娠したママたちとつながることができるんだろう、つながった後にどんな声掛けができるんだろうということを考えていて。産婦人科さんと連携できればいいのかな、母子手帳を渡すタイミングで「ふたごのへや」チラシを渡せたらどうだろうか、などなど。

SNSやWEB上では、どこにだれがいるかわからないけど、絶対にお世話になる病院や役所であれば、接点を必ず作ることができる。でも、そこにどうやってアプローチすればいいのかなって。考えているだけで行動をできなかった。でも、ここは何か実績を2021年度には作れるようにしたい。(という行動宣言)

じゃあ、「ふたごのへや」やいろんなサービスを知ったとしても、実際に活用するかもしれないのはお子さんが産まれたあと。なかなかイメージしづらいという課題が次に出てくる。たぶん失敗してしまうケースは、ただただサービスの種類や内容を伝えるだけアプローチ?じゃあ、どんなことを伝えることができれば、いざ困ったときにスムーズに利活用できるんだろうか。

 

次世代のママに話しかけられる環境の維持

その答えは、やっぱり経験談がベストなんだろうなって。

かなり話がそれるけれど、2011年の東日本大震災のときにあの衝撃的な津波被害を見て、浸水想定区域とかを知った。自分が学生のときから、南海トラフ地震が30年間での発生率70%ということは授業でも教わっていたけれど、そのときには津波がどうこうっていうのはあまり情報を聞かなかった。でも、いまでは当たり前のように、津波予想も報じられたりする。やっぱり、実際に見たもの・体感したことっていうのは、脳裏に深く記憶される。

妊娠期にせっかくつながりを持てたのであれば、多胎育児のうれしかったこともつらかったことも、経験談としてしっかり伝えていけることが必要だろうなって。形式に沿って整えられたキチンとした情報ではなくて、何気ない雑談の中からイメージしやすい日常生活を切り取ったエピソード。そんな風な伝え方ができれば、もしかするとスムーズな利活用に一役買うのかもしれないなって思う。

どうしても、人に正しく伝えようとすればするほど、主観というのは取り除かれてしまいがちなんだけど、そういう主観をふんだんに盛り込んだプレパパママ教室だったりが継続できる形を模索したい。そのためには、やはりピア先輩というのか、多胎育児をすでに経験されているママが、次世代のママに話しかけられる環境の維持は大切な取り組みなんだろうな。

戦争体験を伝える活動が当たり前に報道されるように、多胎育児の経験を伝える活動も当たり前になっていけたらなと思う。